ゴルディオンの結び目 Gordian Knot 2017 7 16

「電気抵抗がなくなれば、世の中の悩みが解決する?」
 最近は、政治や経済のことばかり書きましたので、
たまには、科学のことを書きましょう。
 電気抵抗がなくなれば、世の中の悩みが消えるとは、
やはり言いすぎでしょうが、
少なくとも、科学技術や工業においては、
大きな悩みが消えるのです。

「電気は、熱となって失われる」
 このことは、冬にスマートフォンを使っていると、
よくわかるでしょう。
 冬に、スマートフォンの裏側が暖かくなるでしょう。
同時に、電池の残量が減っています。
 同じように、パソコンのCPUでは、
目玉焼きができるほど高温になります。
CPUの処理速度を上げれば上げるほど高温になります。
そういうわけで、デスクトップのパソコンは、
CPUの上にCPUクーラーがついています。
 こうしてみると、電気抵抗には、デメリットばかりですが、
メリットもあります。
 それが、電気ストーブです。
電気ストーブを見れば、
電気は、熱となって失われることがよくわかるでしょう。
電気ストーブを使いすぎると、電気料金の請求書が高騰します。
 ところで、なぜ、電気抵抗はあるのか。
電気が流れるということは、金属原子の間を電子が移動することですが、
常温では、金属原子が振動しています。
そういうわけで、電子が移動するのには困難があるでしょう。
 たとえば、遅刻しそうなのに、
駅の中は、大混雑で、みんなが勝手な方向に動き回っていると、
あなたは前に進みたいのに、なかなか前に進めないでしょう。
 さて、どうすればよいか。
単純に考えれば、冷却すればよいのです。
 今の季節は、夏で、暑いですね。
暑いということは、空気中にある分子の振動数が高いことです。
 そういうわけで、冷やせば、分子や原子の振動が減って、
電子が動きやすくなって、電気抵抗がなくなるのではないかと思います。
 ところで、どこまで冷やせばよいか。
単純に考えば、絶対零度と言われるマイナス273.15度まで冷やせば、
金属原子の振動がなくなり、電気抵抗がなくなるのではないかということになります。
 実際は、そこまで冷やさなくても、
電気抵抗がゼロ、つまり超電導になりました。
 確か、マイナス269度ぐらいだったと思います。
実験室では、これで解決ですが、
産業用では、いつもマイナス269度まで冷やしているとなると、大変です。
専用の設備も必要となり、費用だって膨大な費用になるでしょう。
 さて、なぜ、電気抵抗ゼロにこだわるのか。
電気抵抗がゼロになれば、永久に電気が流れ続けますので、
永久的な電池ができます。
そして、必要な時に電気を取り出せばよいのです。
 さらに、熱が発生しません。
そうなると、大電流を流しても熱が発生しないということになります。
 しかし、現状では、コンピューターのCPUの問題で書いたように、
電気と熱は、切っても切れない関係にあります。
そこで、超電導によって、電気と熱を切り離すことが狙いです。
 問題は、マイナス269度という極低温ではなく、
常温で、超電導ができれば、「世の中の悩みが解決する」かもしれません。
 ゴルディアスは、ゴルディオンの都で、
「この結び目を解くことができた者こそ、
このアジアの王になるであろう」と予言しました。
 いつの日にか、
ゴルディオンの結び目が解かれる日が来るでしょう。












































































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